甘くておいしいトウモロコシは夏を代表する食べ物ですよね
茹でて、丸かぶりしたときの食感と風味はたまらないものがあります。
今回はトウモロコシとは、トウモロコシの保存、美味しい茹で方、など見ていきましょう
世界3大穀物の1つである、とうもろこし身近な植物であると同時に、人類にとって非常に重要な植物でもあります
とうもろこしとは
とうもろこしはイネ科に属する単子葉類の植物です
単子葉類とは発芽して1番最初に出す葉を子葉といいますが、この子葉の枚数が1枚の植物たちを示します。
イネ科は、単子葉類の中ではラン科について大きなグループで、8000種類以上が確認されています
中でも「とうもろこし」は、米や小麦とともに、世界で最も生産されている植物の1つとされています
とうもろこしは用途が非常に多様で、私たちの食料以外に、家畜の飼料、バイオエタノールの材料にもなります
とうもろこしの原産地は、メキシコやボリビアなどの中南米と考えられています
そして栽培が始まったのは、紀元前までさかのぼって5000年前〜7000年前だとされています
その後、15世紀にコロンブスが持ち帰ったことで全世界に広まり、
日本には江戸時代前の16世紀に南蛮貿易によってもたらされました
とうもろこしの名前の由来
当時、日本には「もろこし」と言う中国から来たイネ科の植物がありました
そこで中国(唐)から来た『もろこし』に似ていると言うことで、『とう(唐)もろこし』と呼んだのです。
『とうもろこし』は漢字で書くと『玉蜀黍』と書きます
当初は「唐」と言う事が当てられていて「唐蜀黍」と言う案もあったそうです
しかしこれでは「蜀」と「唐」がどちらも国の名前を表すため重複しているため、
『黄金の玉のような粒を持つ』と言う意味を込めて「玉」と言う漢字が当てられたそうです
とうもろこしの起源
「とうもろこしは宇宙からきた」と言う都市伝説までありますが、これは野生種が見つかっていなかったのです
イネであれ小麦であれ、人間が栽培している植物には、必ずその元になった野生種が存在します
しかしとうもろこしは野生種が見つかっていないばかりか、近いとされる植物も見つからず、論争がありました
現在、原種として最も有力視されているのは、9200年前に野生種であるテオシントと言う植物から分岐したというものです
テオシントは小さな粒を10粒程度つけるのみで、とうもろこしとはあまり似ていませんがしかし近年の遺伝子研究などから、テオシントを野生種だとする説が有力視されているのです
しかしこの説も、無視できない形態的差異が存在したり、
別の野生種のゲノムが混入していたり、
祖先とされている両テオシントの起源も不確かである
などいくつかの疑問点もいまだ解決されていないことも事実で謎の多い植物です。
とうもろこしの特徴
とうもろこしは一年草です
一年草とは種をまいてから発芽、開花、枯死までのサイクルが1年である植物を言います
一年草であるとうもろこしは、種をまくと年内に発芽し枯れます
品種にもよりますが、種をまいてから3ヶ月ちょっとで実をつけるのでこの時が収穫時期です
とうもろこしに付いているヒゲは雌しべで、1本1本が1つのとうもろこしの粒につながっています
ヒゲの本数ととうもろこしの粒の数は同じなんです
ですので、ヒゲの数を数えれば粒の数もわかります
ヒゲの数は品種にもよりますが大体600本ぐらいらしいです
とうもろこしの粒は必ず偶数になります、雌花が2つ1組で咲くからです
とうもろこしは雌花がヒゲのようなめしべを持ち、最終的に粒になります
つまり粒は雌花が成長したものであり、これが2つ1組で咲くため、粒も偶数になるのです
とうもろこしの粒は種でありもあり実でもあります
とうもろこしを含むイネ科植物は、穎果(エイカ)と言う果実をつくります
穎果は実と種がほぼ一体化しています
とうもろこしの花はとうもろこしには雄花と雌花があります雄花は茎の先端の部分の高いところに咲き、雌花は中程に咲きます
しかし両者ともきれいな花びらを持たず、私たちがよくイメージする植物の花とはちょっと違います
とうもろこしは風媒花と言って、虫ではなく風に花粉を運んでもらいます
また自家受粉を防ぐため、雄花と雌花の成熟時期はズレています
雌花が成熟し、受粉できるようになる頃にはもう雄花は枯れています
以前、私もトウモロコシを育てたことがありますが実がスカスカになってしまい歯抜けのトウモロコシになった記憶があります
とうもろこしはこのような性質があるので、家庭で数本植えただけでは自然に受粉しにくいのです
少なく植えた場合は、雄花を毛に擦りつけるなどして、人手による自家受粉が必要になります
コーンスターチとは
コーンスターチはとうもろこしから作られるデンプンです
世界のデンプンの生産量の約8割がコーンスターチです
プリンを固めるための凝固剤や、ビール、甘味料に利用されています
コンスターチの原料には、家畜の飼料用で有名なデントコーンと言う品種のとうもろこしが使われます
とうもろこしのおいしい茹で方
トウモロコシは収穫直後が一番甘く、できるだけ早くゆでるのがおすすめです。
直ぐに食べない場合は茹でてから冷蔵庫で保存するようにしましょう
トウモロコシは外皮の緑色の皮は剥いで、薄皮を残したまま茹でてください
外皮の緑色の皮ごと茹でるとトウモロコシが青臭くなります
・水を沸騰させてからゆでる場合・・・トウモロコシを入れて5分位ゆでるとシャキッとした食感になります。
・水から茹でる場合・・・トウモロコシを入れ、沸騰させた後5分位茹でるとジューシーでふっくらした食感が楽しめます。
・水から茹でて沸騰させない場・・・トウモロコシを水から入れて沸騰手前で火を弱くして15~20分茹でると甘みが引き出され、香りも一層高まります。
どれがが正解というものではなく色々試して違いを見るのも楽しいかもしれませんね。
また、塩は脱水効果があるので、加熱前より茹でた後、味付けしたほうが、実がみずみずしくしあがります、ですので茹でたのち、お湯量に対して3%のお塩を入れて、4分ほどつけておくと更に甘みが出て美味しくなります。
電子レンジでの調理
電子レンジで調理する場合にはうす皮のまま
、さっと水をかけてから、トウモロコシをラップに包んで
・1本→500Wで5分程度
・2本→500Wで10分程度加熱して、
そのまま蒸らします。茹でた場合と違って水っぽくならず味が凝縮されます。
トウモロコシ保存方法
トウモロコシは茹でた後、包丁で実を削るようにしてバラバラに外して冷凍保存の袋に入れて空気を抜いて平にして、冷凍で1か月程度保存でき、凍ったまま茹でたり、揚げたりして加熱調理に使えます。