おにぎりといえば梅干しですよね、酸っぱさが食欲を大変そそります
梅干には疲労回復の効果があると言うことを皆さんがご存知だと思いますが
運動した後何かに梅干を食べると体に梅干の酸っぱい味が染み渡るような気がしますよね
今回は梅干しとはどんな食べ物なのかどうして梅干しが疲労回復に良いのかについて見ていきましょう
梅干しとは
梅の果実を塩漬けにした後乾燥させ、シソの葉と一緒に梅酢につけ込んだものです
梅酢と言うのは塩に漬けた梅から出てきた液体のことです
梅干の色は大抵赤色で柔らかい大粒のものからカリカリとした小粒の物までいろいろな種類がありますよね
梅干しが作られるようになったのは平安時代からと言われています
梅干しはもともと上流階級の人々に薬として使われていました
鎌倉時代に入ると武家の人々の間にまで広がり病を治す薬として食べられ
戦国時代になると戦場で解毒剤や栄養剤としても活躍しました
庶民にまで広がったのは江戸時代になってからと言われています
梅干しと言えば強い酸味ですがなぜあんなに酸っぱいんでしょうか?
梅干の酸味の成分は「クエン酸」と「リンゴ酸」です
梅干の酸っぱさは梅の実本来のもので紫蘇や塩につけたり日光に当てたから酸っぱくなったと言うわけではありません!
梅干しを食べると種子がありますが、たまに種を割って中身を食べる人がいます
梅干の種を割るとかたい殻の中に「仁」と言われる白っぽいものが出てきます
ポリフェノールなどを含むこの「仁」と言われるところは東洋医学の世界では過去に薬に使われたこともあります
もともと梅の実や未熟な青い梅は「アミグダリン」と言う成分を含むんですが、これは体内で「βグルコシダーゼ」と言う酵素の働きによって「シアン化水素」を発生させます
このシアン化水素人が高濃度に摂取すると細胞のエネルギー生産が阻害されてしまって急性中毒になります
実はこのアミグダリンは一時期ビタミンB17として体にとって必要なものとされたり抗ガン作用があるとも言われていましたが
それは現在では否定されています
むしろ現在では有毒とされています。
しかしこのアミグダリンは梅干しなどに加工すると毒性がなくなるんです
だから青い未熟な梅は駄目ですが、梅干しにした種なら食べても大丈夫です
梅干の健康効果
梅の酸っぱさの素クエン酸
梅は果実の中でクエン酸の含有量が最も多く、小さな1粒にレモン2〜3個分ものクエン酸が含まれています
クエン酸は「有機酸」と言われる仲間の1つで先ほど少し話した「リンゴ酸」もここに含まれます
クエン酸は体内でエネルギーを作るときに欠かせません
私たちが生命を維持するためには体内でエネルギーを作り出さないといけませんが、
そのエネルギーを作り出す過程で「クエン酸回路」と言う代謝経路を経るのです
またの名を「TCA回路」とも言います
糖質のグルコースが代謝されるときにクエン酸は体の中で作られますが
ストックされている糖だけでなく代謝の途中産物であるクエン酸を取ることで
運動などで消費されたエネルギーを効率よく代謝したり得たりすることができます
つまりそれが疲労回復に有用だとされています
またクエン酸には血液をきれいにする効果があります
血液は体中に酸素や栄養素を運んだりウィルスと戦ったり大切な役割をしています
でも血流が悪くなると血管にコレステロールや中性脂肪など不要な老廃物が付着して狭くなったりします
それは動脈硬化や高血圧の原因にもなります
そんな時に役立つのがクエン酸です
クエン酸は血液中の老廃物を外に追い出してくれます
クエン酸は血小板が過剰に固まるのを防いだりコレステロールや脂肪の分解を促進してくれます
梅干しに含まれる特徴的な成分で「ムメフラール」という成分があります
これも血流を改善し血栓予防や動脈硬化など防ぎ血液中のコレステロールの溜まりすぎを抑えます
その結果酸素や栄養分の供給がスムーズになって老廃物の排出が促進されたり疲労回復を期待できます
胃炎や胃潰瘍胃がんなどの原因になるとされるピロリ菌の活動を抑制する効果も認められています
抗菌、静菌効果
梅おにぎりや日の丸弁当などはご飯との相性もあるけれど、主に保存性を高めて持ち歩いても食中毒のリスクが低くなります
またクエン酸やリンゴ酸のような酸味には唾液の分泌促進作用があります
唾液は食欲増進効果があるだけでなく、胃酸やその他の消化酵素の分泌促進によって消化も助けます
そして口内の殺菌の効果もあります
ピクリン酸は腸の働きを活発にするので便通の改善にもなりますつまり梅干しは消化から排泄までをトータルでサポートする食品になります
抗酸化作用は老化や生活習慣病がんなどの原因にもなる「活性酸素」を取り除く作用のことです
さらに梅干しは体をアルカリ性に傾けると言う作用を持っています
体をアルカリ性にすることによって健康維持のために、体液を弱いアルカリ性に保つ方が良いのですが
ご飯やパンなどの主食や肉や魚などは会社の過程で生まれるものの影響で体を酸性に傾けます
体が酸性に傾くと血行不良などにつながります
また血液中の尿酸も結晶化しやすくなるので尿路結石や痛風などの原因にもなります
アルカリ性に傾ける食べ物はキノコや野菜などの食品もありますが梅は特にその働きが大きいんです
例えば牛肉を100グラム食べたときに酸性を中和してアルカリ性に傾けるには
きゅうりなら900gも取らないといけませんが
梅干しなら半分~1個程度の量(5g)でいいんです
野菜を大量に食べるよりもとても効果的ですよね
弱いアルカリ性に体を保っておくと血流やリンパの流れが良くなるので免疫力アップにもなります
そして梅にはなんと鉄やカルシウムの吸収を高める効果もあります
鉄は貧血対策に重要ですし、カルシウムは骨を丈夫に保つのに不可欠です
クエン酸などの有機酸は鉄やカルシウムなどの吸収を促したり骨からカルシウムが流出するのを抑えてくれます
鉄もカルシウムも全ての世代の人にとって重要な栄養素ですので重要な効果ですよね
梅干食べ過ぎは禁物です
1番問題なのは塩分です
塩分は熱中症対策では有用ですが塩分の取りすぎは、むくみや高血圧の原因になるので日常的に摂取するのは好ましくありません
なぜ塩分を摂りすぎるとむくみや高血圧になるかと言うと体が塩分濃度を一定に保とうとして水分をたくさん取り込んでしまうことで起きます
塩辛いもの食べて喉が渇いて水をたくさん飲んだ経験はありませんか?
それは血液中の塩分(ナトリウム)が増えてしまい、水分をたくさん取り込むことで濃度を下げようとしています
水を飲むと確かにナトリウムの濃度は下がりますが、
体液や血液の量が増えることで血管を圧迫して心臓に負担をかけてしまい高血圧になるしむくんでしまいます
梅干しはどうしても保存性を高めるために塩をたくさん使います
昔ながらのしょっぱくて塩辛い梅干しは約20%の塩分濃度なので決して減塩食品とは言えません
健康な人の理想的な1日の塩分摂取量は7~8g程度です
梅干し1個で大きさにもよりますが、約4グラム程度です
梅干し2個食べたら他に塩分は取れなくなりますよね
梅干だけが塩分を含むわけじゃなくあらゆる食品に塩分が入っていて
梅干しだけで日々の塩分摂取を行うのはあまりにも非現実的なので梅干の食べ過ぎは良くありません
しかも梅干しが合うのはやっぱり和食の献立ですよね
和食自体が洋食などに比べて塩分の量が多くなるので注意が必要です
最近ですと少し塩抜きをして蜂蜜や鰹節などで味付けをした甘みやうまみの強い梅干もあるのでそれで代用するのもアリではないでしょうか
梅干しを食べるなら単体ではなく少しずつご飯やお茶、梅和えなどのお料理の調味料がわりに使う食べ方が好ましいです
もちろん梅にはたくさんの健康効果がありますが、
絶対に毎日食べないといけないわけでもありません
例えばラーメンなどの麺類を知るまで飲んだり塩辛い食べ物たくさん食べた日は塩分の摂取量が多いですよね
その時に梅干しを食べると梅干しの健康効果によるメリットよりも塩分を摂りすぎることによるデメリットの方が大きくなってしまいます
毎日の食事のバランスを見て目安量の梅干しを取り入れていくのが大事です
今回は疲労回復に良いとされる梅干しについて見てきましたが、
疲れているときに酸っぱいものが染み渡るように美味しく感じ、梅干に含まれるクエン酸によって実際に疲労回復効果があることがわかりましたね
梅干しは優秀な食品だけど塩分も多いので日々の食生活とのバランスを見て目安量を超えないようにとっていくことが大切です
今は梅干しにもいろいろな種類があるので自分に合ったものを見つけて上手に取り入れていけると良いですね