夏のスタミナ食材『鰻』の栄養について

栄養満点!スタミナ料理として知られる鰻。

鰻は古くから滋養強壮食品として、身体の抵抗力を高めたり、疲労回復効果、夏バテ予防等薬膳的にも様々な効果があるとして食べられてきましたそんな鰻について今回は見ていきましょう

うなぎはうなぎかうなぎ属に属する魚の総称で、細長いのが特徴である魚です

他の特徴に目が小さく、腹びれがなく、せびればまでつながっています

うなぎに近い仲間にアナゴ、鱧、ウツボ、ウミヘビなどがありますがヌタウナギ、デンキウナギ、ヤツメウナギなどはうなぎの名前がありますが、私たちが食べているうなぎには程遠い生き物です。

うなぎは淡水のですが、海に出て産卵と孵化を行います

そんな海で産卵する鰻ですが、最近まで産卵する場所が分かりませんでした

東アジア広く生息している日本うなぎは2006年2月にマリアナカ海嶺のスルガ海山付近であることが判明しまた、

大西洋に生息しているヨーロッパうなぎやアメリカうなぎの生息場所が大西洋中央海嶺の近くの可能性が高いとわかってきました

うなぎの産卵は新月に行われます

その理由は同じ個体が一斉に産卵することで、天敵に食べられ絶滅する可能性を低くするのと、潮の満ち引きに関係されているとも言われています

うなぎは1950年後半から漁獲量が減ってきています

原因として違法に捕獲されたものが密かに流通していることがあります

水産資源は取りすぎると次の世代の魚が減少するので、それを防ぐために漁獲量を調整していますが、違法にとられた影響で減少しているとされています

うなぎをあまり生で食べないのはうなぎ血には毒があるからです。しかし加熱によってその毒はなくなります。

実はさばいた時にうなぎの血が飛び散って目や傷口に飛び散った際は、目や傷口に炎症を引き起こしてしまいます

だから血が飛び散らないように背開きにしてさばくことが多いんです

鰻はなぜぬるぬるしているの?

うなぎは陸上を移動できその時皮膚呼吸が出来るようにぬるぬるさせて肌が乾燥しないようにしています

土用の丑の日

鰻の旬は10月から12月の間でこの時期になると冬を越すために脂がのり身がが柔らかくなります

ではなぜこの時期に旬ではない鰻を食べる習慣が生まれたかといいますと

諸説ありますが

・土用の丑の日に「う」のつくものを食べて元気になろうと言う言葉遊びが大好きな日本人が考えたと言う説や

・江戸時代、夏場にウナギが売れなくなって困っていたウナギ屋の主人が、

学者である平賀源内に相談したところ『本日、ウナギの日』と書いた紙を店に貼りだすことをすすめました。それを聞いたほかのうなぎ屋も同じことをするようになり、次第に土用の丑の日に鰻を食べる習慣が定着したといわれています。

 

養殖鰻

養殖は餌をきちんと与えているので脂がのって美味しいです高カロリーなものが大好きな人には養殖の方が良いと思います

天然ウナギ

天然うなぎの場合は養殖と違って力強く生きてきたので実に弾力があり、脂はさっぱりしていてうなぎ独特の味もしっかりしています

そして取れる時期や生息地域によって味や脂ののり方が異なります

うなぎの歴史

うなぎの歴史は非常に古く日本国内の多くの貝塚からうなぎの骨が見つかっていることことからおよそ5000年前の縄文時代から食べられ続けてきたと言われています。

うなぎが記録として出てきたのは風土記が描かれた奈良時代の頃です

海外では古代ローマ時代に食べられていて当時は開いたうなぎに魚醤と蜂蜜を混ぜたタレをかけ炭火で焼き塩胡椒で味付けして食べていました

うなぎの蒲焼は室町時代に生まれ、名前の由来として当社がうなぎをつつ切りにして刺して焼いていたので蒲(ガマ)似ていることからと言う説があります

 

江戸時代になると醤油が多く流通するようになったのとうなぎが多く生息するようになったことによって多くの人たちが食べられるようになっていきました

そして江戸時代に人気食材となったうなぎには江戸前大蒲焼番付と言う人気のお店を紹介する本も登場しました

明治18年には出前で配達している間にうなぎが冷えないようにうなぎを温めたヌカの上に乗せ配達していました

客はヌカが鰻に張り付いて美味しくたべられません。そこでお客が「熱い飯を丼に盛り、飯の間に鰻を挟んで持って行ったところ、ウナギは冷めないし、飯にはタレがしみ込んで旨くなり」と注文したことからうな重が誕生したといわれています

昭和35年には重箱と言う鰻屋が、重箱にうなぎの蒲焼を入れて提供していて、それが高級感があると言うことで他の店を真似するようになり、うな重が誕生しました

うなぎの栄養

鰻は100g当たり225kcalありタンパク質は17.1g脂質は19.3g炭水化物は0.3gあります。

鰻はとても脂質が多いのですが中でもEPAとDHAが体に良い働きをします

EPAには脂肪をエネルギーに変えやすい体質にしてくれる効果があります

そのため中性脂肪の量を減らしてくれ結果に中性脂肪などが溜まっていく血管が狭く硬くなる動脈硬化を防いでくれます

そしてEPAには血液をサラサラにしてくれる効果があります血液がサラサラになることで体中に栄養が行き渡るようになりますそして脂肪をエネルギーに変える効果もあります

DHAの効果を簡単に言うと脳の機能を高めたい病気を予防してくれます

DHAはもともと脳細胞に多く含まれている成分で、特に記憶、学習に関わる海馬と言う場所に多く含まれていて頭を使う勉強に役立ちます

またアルツハイマー病の患者の脳のDHAの量が正常な人の半分以下であることからアルツハイマー病にDHAが関係しているとされています

うなぎはタンパク質も豊富に含まれています

たんぱく質は筋肉、肌、内臓、いろんな機関を作るのに必要な成分なので必ず摂取したい栄養素です

ビタミンに関してはビタミンAが100gで3日分以上も摂取できます

ビタミンA皮膚や粘膜を保護してくれたり免疫力を高めたりするものです

さらに暗いところで視力が落ちる夜盲症防いだり、抗酸化作用により細胞を傷つける活性酸素除去してくれます

鰻130gでビタミンAの摂取上限を超えてしまうので食べすぎには注意が必要です

他にうなぎにはビタミンD.ビタミンE.ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB12などがが含まれています

ミネラルに関しては骨の材料となるカルシウム、骨と歯の形成に関わるリン、生体内の酸化した脂質である過酸化脂質を分解するセレンが多く入っています

特に体の中でエネルギーを作り出すビタミンB群が多く含まれているので、暑くて活動できない夏にはちょうど良い食材です

ウナギと梅干しの食べ合わせ

梅干しとうなぎの食べ合わせは栄養的にはとても良いのです

梅干しに含まれているクエン酸などの酸っぱい成分には食欲増進や疲労回復効果があることから、油の多いうなぎの消化を助けたりうなぎにも疲労回復効果があるから梅干しとの相乗効果で元気になります

ではなぜ食べ合わせが悪いと言われるのでしょうか

それは栄養的に良くても経済的には悪い食べ合わせです

梅干を食べて、食欲増進効果が出た影響で、鰻をたくさん食べるようになり、その結果お金をたくさん使ってしまうことから、昔の人はうなぎと梅干しは経済的に食べ合わせが悪いとかんがえていた可能性があります

土用の丑の日?

もともとは1年の特定の時期を示すための言葉で、この由来は万物は5つの木火土金水の元素の組み合わせで成り立っていると言う古代中国思想の『陰陽五行説』と言うものが深く関連しています

それぞれの元素のうち春は木夏は火秋は金冬は水が象徴となっておりそして植物の芽が地中から発芽するイメージから土が季節の変わり目の象徴として当てはめられるようになりました

この4つの季節の間の時期、特に立春、立夏、立秋、立冬の食前の約18日間のことを土用と呼びます

そして丑の日は子丑寅宇辰巳とつづく12支が関連しています

土用を頭からかぞえて2番目の日、14番目の日を土用の丑の日と呼んでいます

一年の内土用の丑の日は4回あります