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肉は切り方で柔らかくできる?ローストビーフの糸の巻き方はどうするの?

Ⓠ肉は切り方次第で柔らかくできる?

A。繊維を断ち切るように切る

繊維を短くすると噛み切りやすく、縮みにくい

【Meat Factory】

 

肉は焼くと繊維が縮硬くなります。

 

しかし、切り方1つで、同じ肉でも食感を柔らかく仕上げることができます。

 

かたまり肉をよく見ると、筋肉の繊維が走っているのがわかります。

 

その流れをよく見て、繊維を断ち切るように切り分けるのです。

 

長くて硬い繊維は噛み切りにくく口の中で残るので繊維を短くしておくわけです。

 

また、繊維が縮むと、周りの肉もそれに引っ張られて、肉全体がそってしまうことがありますが、このように切ることでそれを防ぐことができます。

 

肉の中でも豚は、他のものに比べて縮みやすい肉質です。

 

豚肉は切り分けたと、肉たたきで叩いて繊維をつぶし、柔らかくしてから焼くと、硬くなるの幾分防ぐことができます。

 

また、豚ロース肉の切り身を想定する時などは、明美と脂身の境港にある筋を、包丁の先で数カ所さしてしっかり切っておきます。

 

これをしないと筋が激しく縮んで、肉が大きくそってしまいます

肉の構造を科学的に見てみた

私たちが食べている食肉は、動物の骨格筋の部分です

 

主に筋繊維が束になったもので、その束に結合組織、血管、神経、脂肪組織が合わさって筋肉の組織が作られています。

 

そのため肉を調理するときには、繊維の方向を意識しなければなりません

 

肉の赤身の部分では、水分が約60%、次に多いのはタンパク質で20%占めています。

 

そのため、肉の調理には、タンパク質、そして水分の変化が食感や味に大きく変化してくるのです

肉に含まれるタンパク質の種類

筋肉のタンパク質には3種類のグループがあります。

①筋肉の伸び縮みに関わる…「筋原繊維タンパク質」

②筋繊維の束を繋いだり、筋肉と骨をつなぎ合わせるなどの働きをする…「肉気質タンパク質」

➂肉の色素タンパク質や代謝に関わる酵素など様々な働きをするタンパク質を含む…「筋形質タンパク質」

なぜ加熱すると肉が縮むのはなぜか?

 

肉に火を通すと硬くなるのは筋肉のタンパク質が、加熱によって変性して固まる硬く固まるのが原因です

 

中でも1番縮む率が高いのは、肉気質タンパク質で、肉の繊維と言われるものです。

 

顕著な例で言えば、肉基質タンパク質のひとつであるコラーゲン(コラーゲン繊維)は

 

62℃~63℃になると、元の長さの1/3〜1/4に激しく収縮しそれに引っ張られるようにして周りの肉も縮みます

【Meat Factory】

豚肉が縮みやすいのは何故か?

 

肉基質タンパク質が多い動物の肉ほど、火を通すと縮んで硬くなるといえます

 

このタンパク質は食肉の中では豚肉に1番多く、豚肉を切り分けるときは、特に繊維を立つように切らなければなりません

 

一方鶏肉は豚肉ほど焼いたときに縮んだり硬くなったりしません。

 

鶏肉には肉基質タンパク質が、白身魚と同じ位の量しか含まれていないからです

 

その代わりに、豆腐のようにふっくらと柔らかく固まる性質の筋形質タンパク質の割合が多いので繊維が縮んで硬くなるのそれほど気にする必要はありません。

骨付き肉は骨をつけたまま焼く?骨を外して焼く?

【Meat Factory】

 

骨付きで焼くと肉が縮みにくい

 

焼き縮みが防げる

 

盛り付けで骨を外す場合でも、調理するときは骨をつけたまま焼く事がよくあります

 

なぜそのようなことをするのでしょう?

 

それは肉を骨付きのまま焼くと、焼き縮みにくいからです。

 

ためしに、骨付き肉と同じ部位で骨を外した肉を焼いてみれば、その違いは一目瞭然です。

 

焼き縮みが少ないと、肉汁が逃げにくく、肉の旨味もしっかり残ります。

骨付きで焼くと縮まないのはなぜか?

 

肉が縮むのは肉基質タンパク質が縮みやすいからです

 

その中でも縮み率が大きいコラーゲンは、骨と筋肉の間にたくさん存在しており、骨と筋肉をしっかりとつなぎとめる役割をしています。

 

もし骨を除いた状態で加熱すると、このコラーゲンが何も制約されずに縮んでしまうのです

 

かたまり肉の形を崩さず焼くテクニック

糸でかたまり肉を縛る

ローストビーフやローストポークを作る時は、きれいな形で焼き上げるために1本の長糸で肉を縛って成形します

 

肉を加熱すると繊維方向に縮みますが縮む割合は生の密度や長さによって異なり、

 

ひとかたまりの肉でも元の形を保ったままきれいに縮むわけではありません。

 

そこで、糸で縛ることで外から均等に力をかけ、形が崩れるのを防ぐのです

 

一回糸ををかけるごとに、やや強めに締めながら、締め具合は一定になるようにしていくのがコツです。

 

肉全体にぐるっと糸をかけたら、始点に戻り、その糸と最後に余った糸を結んでおきます。

 

これらの一般的な結び方のほかにバロンティーヌ料理ならではの結び方があります。

 

鶏肉などの家禽類の肉に、ミンチやムースを詰め物にして、ロール状に巻き、形を崩さないように糸で結んで火を通したものです。

 

【Meat Factory】